しかしあの高さのボールをダイレクトボレーとは

久しぶりに長い時間(それでも30分位だが)久保のプレーを観れた。
序盤はやはりサンフレッチェ広島が有利で試合を進め、前半で2点を取り、この時点で、ほぼ試合を決定づけた。
が、大体大も若いチームで体力があるのと、吹っ切れたのか徐々にアグレッシブにボールを取りに来るようになる。サンフレッチェ広島も結構ボールをとられ、チャンスも(決定的なチャンスは少なかったが)作られた。
前半の2点でほぼ試合を決定づけたが、あんまりサンフレッチェ広島も決定的なチャンスを作れなかったからなのか、後半18分位で久保竜彦の登場である。
久保自体の調子は、試合後のコメントの通り「まあまあ」といった所である。
試合は、サンフレッチェ広島は得点を重ねていき、久保も惜しいシュートがあったがキーパーのナイスセーブで弾かれた場面もあった。
しかし、久保の後ろ向きプレー、とくに連携というかパスワークで周りと、リズムが合わない場面があった。
久保も躊躇している部分もあるし、周りも久保のリズムに躊躇している所がある。
ストヤノフや服部なんかが相手だとこういった躊躇はないのだが。やはり時間が必要なんだろう。
途中から出て来た、桑田や高柳なんかだと、一緒にプレーしている時間が長い所為か、そういった躊躇はお互いに少なかった。
が、終盤そんな事を吹き飛ばすかの様な、最後のシメの久保竜彦の一発が炸裂した。
あの高さは、他の選手ならヘディングする高さだろ。
それを、脛に当たってしまったとはいえ、ダイレクトボレーで決めるとは。
今後も久保の試合時間が増えていって欲しいものである。

では前回の続きの今年のサンフレッチェ広島の中盤についてである。
まあ、一般的にいって今年の目玉は中盤にあるといった所だろう。
よく走り、パスを回し、隙(スペース)を逃さず、また隙(スペース)を作り攻撃していく。
J2ではこれが機能していた。タレントが多い中盤を生かす為に、ワントップ、またはゼロトップまでもが登場した。
これがこのままJ1でも通用したら凄いし、このまま通用するだろうと一般的には思われている。
中盤の面子も沢山いる。森崎兄弟、高萩、青山、高柳、柏木、桑田。
しかし、俺は中盤にこそ補強が必要だと思っている。
なぜか、それはおそらくJ1では、この中盤だとボールの収まり所がないからである。
今の面子で戦うとなると、ストヤノフボランチにするか、ユキッチの能力次第といった所か。
なにが原因かというと、またもやフィジカルである。
いや、別にフィジカルでなくてもいい。J1のプレッシャーの中でボールキープができる何かの「武器」が必要である。
また、ボールキープ以外で、得点をする為、または得点をするのに役立つ「武器」が必要である。
J1では中盤、守備陣のプレッシャーがJ2とは段違いであろう。
なぜ今の時点でそれが解かるかは、ヴァンフォーレ甲府戦や、ベガルタ仙台戦等を観てである。
ヴァンフォーレ甲府は、複数人で囲いこみプレッシャーをかけ、サンフレッチェの中盤のパスワークを潰し、ベガルタ仙台は守備陣の能力の高さでサンフレッチェ広島の攻撃を抑えていた。
去年はおそらく、服部、駒野の両サイドがボールの収まり所だったのだろうが、駒野はいない。
李はボールの納まり所にはならないだろう。しかし、右サイドの補強は難しいし、李には「クロスの精度」というおそらくJ1でも通用するだろう「武器」がある。
となると中盤にボールの収まり所が必要なのである。
ストヤノフのポジションがキーとなるのだろうが、やはりボールを収められる中盤の選手が一人欲しい所である。
しかし俺が今不安なのは、この若い中盤の選手を大事にするのはいいが、他のポジションの選手を削ってまで使用している所である。
この中でJ1で通用する「武器」またはフィジカル等を持っている選手はいるのか。
パス回しにしろ何にしろ、極端なカウンターサッカーをするのでないのなら、中盤では以下の物が必要になると俺は思っている。
ボールの収まり所
得点を取るための「武器」
守備力(主にボランチ
以上の物がJ1でも有効になる必要がある。
はたして今の中盤の選手が以上の物をどれだけ持っているのか。
今年の天皇杯ではそれが少しははっきりするのだろう。
次回はFW、サイドを含め全体の戦い方について書こうと思う。